どこまでが労災で認められるか?彼の家から出勤して怪我をしても労災は認められるのか?

労災事故は自己負担ゼロ

先日「知らなきや損!あなたと家族を守る年金・労災・健康保険」というタイトルのセミナーを聞いてきました。社会保障って地味なイメージですが、中でも地味なのが「労災保険」です。講師はFPで社会保険労務士でもある望月厚子さんで「労災のことはよく分からないっていう人が多いのですが、本当に知らなきや損ですよ」と言っていました。

労災とは会社員が仕事時間中や通勤途中に遭った事故などを補償する制度のことです。労災事故と認められると、病院での治療費は健康保険ではなく労災保険から払われます。健康保険なら自己負担は3割ですが、労災保険は自己負担がありません。通勤途中の事故は初回のみ200円を負担します。

例えば、仕事中に骨折して医療費がトータルで10万円掛かったとすると、健康保険なら3割の3万円の自己負担が掛かりますが、労災ならゼロです。自己負担があるかどうかは大きいですね。それに怪我をして松葉杖など補助具が必要になった時にもその費用が補償されます。

そういえば、私も労災のお世話になったことがありました。OL時代に取引先と会食した際、お座敷で足がしびれて立ち上がったときによろけて捻挫をしてしまったのです。病院へ行ったらドクターに「仕事中の怪我だから労災扱いね。これを書いて会社に提出して」と書類を渡されました。

治療費の全額と足首に巻くサポーターの代金約7,000円、合わせて2万円近く支払いましたが、労災手続きが済んだら全額返金された覚えがあります。20代で一人暮らしをしていた頃の2万円の返金は有難いものでした。

前述の望月さんは仕事中に怪我をしたら職場の人に「怪我しちゃった!」と伝えることが大事と言っていました。稀に労災事故を隠す悪い会社があり「本当に仕事中の事故?証拠は?」などと尋ねられることがあるそうです。周囲の人に伝えておくと証人になってもらえますね。なるほど、イザというときの備えです。

「通勤途中の怪我」とは?

通勤途中の怪我が労災の適用になるかどうかは、基準があるので知っておきましよう。通勤災害の認定基準は「合理的な経路及び方法で往復すること」とあります。普通に通勤した場合は問題ないのですが、寄り道をした場合が微妙なのです。

寄り道をしても日常生活に必要なことであればOKです。例えば、夕飯のおかずや日用品を買うためにお店に立ち寄る、美容院へ寄る、病院で治療を受けるといったことは日常生活の範囲内です。立ち寄った後に通常の経路に戻ると再び「通勤」となります。

会社帰りに参加した合コンで酔って怪我した場合は「日常生活に必要なこと」と認められないため、労災と認められる可能性は低いようです。プライベートで飲んだ時こそ怪我に気をつけなくてはいけません。

セミナーで聞いた事例で面白かったのは「彼の家から出勤途中に事故に遭った場合は労災かどうか?」という話です。たまたま泊まったのならNGで、一緒に暮らしている状態なら認められる可能性があるそうです。認定するのは会社ではなく労働基準監督署です。

ポイントは住んでいる生活の実態があるかどうか。着替えや歯ブラシがなかったりすると「たまのお泊まり」とみなされて事故に遭っても労災から給付はありません。階段で捻挫くらいなら治療費の自己負担はいくらでもありませんが、大規模な列車事故などに巻き込まれて大怪我をすると大変です。実際に一緒に暮らしているならスーツ、靴を置いておくのは必須かもしれません。

— posted by 本間 at 06:34 pm