おみやげ用の漬物は本場の味とはほど遠い?

日本に来た外国人の買い物につきあうと。家族や友人だちへの日本みやげとして、ヘンなものを買おうとするのにびっくりすることがある。日本人ならとても買わないようなものを「これは日本的だ」と喜んで買っていくのである。帰国すれば、多分、もらったほうも喜ぶのだろう。これと同じ状況は、日本各地の観光地を訪れる日本人にもあてはまる。地元の人はとても買わないようなものを、喜んで買っていくのが観光客なのだ。

日本各地には、その土地でとれる野菜を、その地方独自の方法で漬けた漬物がある。それが、おみやげ店で名産品として売られているわけだが、その多くは、本当の地元のものとはかなり違うらしい。京都のしば潰は、独特の赤いシソで色を出す。しかし、大原の里でつくったものでないと、その色は出ない。また、本物は渋味のある強い酸味がするが、これは食べなれない人にとっては、「マズイ」と感じるもの。だから、おみやげ用のものは、誰の口にも合うように味つけしてあり、色も着色しているとか。

広島菜漬にいたっては、おみやげ用は色も変わる。本来はかなり長く漬けておくため、べっこう色をして、独特の香りがしてすっぱいもの。もちろん地元の人たちは、日常的にそういうものを食べている。しかし、においが強いせいか観光客の評判はよくないので、浅漬にした緑色のきれいなものがおみやげ店では売られている。これなど、名前は同じでも、まったく違うものである。観光地の業者たちにしてみれば、全国から来る人たちにたくさん売ろうと工夫した結果なのだが、何やらおかしなことになっている。

— posted by 本間 at 12:53 am